夫婦が離婚する際に共有名義の自宅を売却する方法は?注意点と一緒に紹介
夫婦で共有名義の不動産を所有している場合、離婚する際にどのように対処すれば良いか悩まれるケースが多くあります。
複数の売却方法があるため、双方の希望や住宅ローンの有無、想定されるトラブルを事前に整理し、円滑に話し合い・手続きを進めることが重要です。
本記事では、共有名義の基本概要をお伝えしたうえで、売却方法と注意点を紹介します。
共有名義とは
共有名義とは、複数人がひとつの不動産を共同で所有する状態を指します。
夫婦で不動産を共有している場合、それぞれが不動産全体に対して一定の割合の所有権を保有しており、その割合を共有持分といいます。
共有持分の割合は、頭金や出資額、協議内容に応じて決定され、登記簿謄本(登記事項証明書)で明記されます。
単独名義であれば所有者の独断で売却できますが、共有名義の場合は原則として共有者全員の合意が必要となるため、離婚時には自宅の取り扱いについて夫婦間で十分に話し合う必要があります。
共有名義の自宅を売却する方法3選
離婚をきっかけに共有名義の自宅を売却する際には、夫婦の希望や今後の住み方によって、複数の選択肢があります。
ここでは、代表的な売却方法を3つ紹介します。
夫婦間で合意を得て売却する
自宅に住み続ける予定がなければ、夫婦双方の合意を得て不動産全体を売り出す方法が最も一般的です。
仲介取引できれば、市場相場に応じた高額な売却益が期待でき、現金化してから共有持分の割合や財産分与の協議結果に応じて分配できます。
ただし、離婚をきっかけに自宅の取り扱いに関する意見の食い違いが生じるケースもあるため、売却条件や時期について明確に整理しておくことが重要です。
夫婦のどちらかが共有持分を買い取る
夫婦のどちらかが自宅に住み続けることを希望する場合、代償金を支払って相手の共有持分を買い取る方法があります。
共有持分をすべて買い取れば共有名義から単独名義に変わるため、売却やリフォーム、賃貸運営などの決断・手続きを独断で行えるようになるので管理しやすくなります。
この際、所有権移転登記が必須であり、登録免許税が発生する点は注意してください。
それぞれの共有持分のみを売却する
共有名義の不動産は、共有者が個別で共有持分を第三者に売却することができます。
ただし、共有持分のみを取得しても、ほかの共有者からの合意なしで不動産全体を自由に管理・処理できるわけではないため、購入希望者が見つかりにくいのが実情です。
夫婦間での話し合いが難航する際に有効な解決策の一種として存在していますが、共有者が第三者になると新たなトラブルに発展する懸念もあるため、慎重な判断が求められます。
夫婦が共有名義の自宅を売却する際の注意点
不動産売却では、置かれている現状に応じて必要になる手続きや事前準備の内容が大きく異なります。
ここでは、共有名義の自宅を売却する際に注意するべきポイントを5つ紹介します。
住宅ローンが残っている場合は売却方法に制限がでる
住宅ローンで自宅を購入した場合、売却前にローン完済や抵当権の抹消手続きをしなければ売買取引を成立させることができません。
残債分の資金を調達できない場合、金融機関からの承認を得て、売却益をローン返済に充てる任意売却を利用する方法もあります。
また、共有持分と住宅ローンの返済負担の割合が異なる場合、贈与税の課税対象になるおそれがあるため、税務上のトラブルリスクをご確認ください。
共有名義の自宅を売却するには夫婦双方の合意が必要となる
共有名義の自宅を売却する際、不動産登記簿に記載されているすべての共有者、つまり夫婦連名であれば二人の合意が必要です。
どちらかに売却の意思がなければ、媒介契約や売買契約を締結することはできず、この規制は共有持分の買い取り(移転)でも適用されます。
話し合いで合意形成に至らない場合、最終的な解決方法として共有物分割請求訴訟を行うことで、裁判所の判断で共有状態を解消できます。
減税措置を受けるには期日内の申請手続きが欠かせない
不動産売却では、多様な減税措置が用意されていますが、要件を満たせば自動的に適用されるわけではなく、確定申告などの申請が必要です。
たとえば、居住用財産の3,000万円特別控除は、共有者ごとに最大3,000万円の控除が受けられる可能性があるため、納税負担を大きく抑えることができます。
申告漏れがないよう、事前に減税措置の種類や適用要件を整理するようにしてください。
離婚で財産分与を行う場合は課税対象とならない場合がある
離婚による財産分与では、原則として贈与税や不動産取得税が非課税となります。
ただし、財産の評価額や分与額が一定よりも多いと贈与税の対象になることがあり、不動産売却のように高額な利益が発生しやすい取引においては注意が必要です。
また、自宅を売却して得た現金を財産分与に充てる場合でも、譲渡所得税が発生する可能性があるため、納税負担を整理して協議を重ねることでトラブルを未然に防げます。
まとめ
夫婦が共有名義で取得した自宅を売却するためには、双方の合意が必要となり、単独名義よりも協議や手続きの手間がかかりやすいので注意が必要です。
とくに、離婚をきっかけに夫婦間で意見の一致しなくなると売却が遅れてしまう原因につながります。
複雑な権利関係や住宅ローンの返済状況、売却後の納税負担などに不安をお持ちの方は、専門家が在籍する不動産会社にご相談ください。