相続財産管理人に選任された場合の査定から売却までの流れ
相続財産管理人に選任された場合であって、被相続人の遺産に不動産などの資産が含まれているときには、その財産を適正に査定・換価して、債権者への弁済や相続人への分配に備える必要があります。
ここでは、相続財産管理人の立場で行う不動産の査定から売却までの流れについて考えていきます。
相続財産管理人の役割
相続財産管理人とは、相続人がいない場合や、相続人全員が相続放棄をしたことによって相続人が不在になった場合に、家庭裁判所に選任されるひとをいいます。
相続財産管理人は、相続財産の保存行為・管理行為を家庭裁判所の許可なく行うことができます。
査定から売却までの流れ
相続財産管理人が不動産を査定し、売却するまでの流れは以下の通りです。
1. 財産調査・資料収集
対象となる不動産に関する情報を収集します。
具体的には、法務局で登記簿謄本を取得して所有権や抵当権などの権利関係を確認し、市町村役場で固定資産税評価証明書を取得して公的な評価額を把握します。
必要に応じて現地調査なども行います。
2. 不動産の査定依頼
不動産の市場価値を客観的に把握するため、不動産業者に査定を依頼し市場価格を把握します。
特に、高額な不動産や特殊な物件の場合、不動産鑑定士による正式な「不動産鑑定評価書」を取得することも検討すべきです。
この評価書は、家庭裁判所への許可申立ての際に、売却価格の適正性を証明する重要な資料となります。
3. 家庭裁判所への許可申立て
売却に関して事務負担や買受希望者の内覧、情報提供のため、窓口の不動産業者を1社選任します。
相続財産管理人が不動産を売却する行為は、相続財産の管理や保存には該当せず、権限外行為として家庭裁判所の許可が必要になります。
家庭裁判所には、売却を必要とする理由、売却予定の価格や条件、買主の候補、売却代金の使途などを記載した不動産売却許可申立書を提出します。
4. 売買契約の締結
家庭裁判所の許可が下りたら、その許可された条件に合致する買主と売買契約を締結します。
この際、相続財産管理人が売主として契約書に署名・押印します。
契約締結後は、所有権移転登記の準備を進めます。
5. 登記・配当
売買代金の決済日には、買主から売却代金を受領し、同時に不動産の所有権移転登記手続きを行います。
売却代金は、相続財産管理人が管理する相続財産口座に入金され、この代金から、不動産の売却にかかった必要経費や、滞納税金、管理費などを支払います。
不動産の売却によって得られた代金は、相続財産管理人が、法律で定められた優先順位に従って債権者に対して配当などを行います。
まとめ
当社は、士業の方が利用される不動産関連の裁判所に提出する査定書の作成を多数行っております。
相続財産管理人として査定書の作成や不動産に関する調査や売却手続きや窓口業務などが必要になった場合はぜひ株式会社ヒルズ不動産コンサルティングまでご相談ください。