スルガ銀行のそもそもの問題②

前回は、スルガ銀行のそもそもの問題の本質として、以下の点を列挙しました。

 

➊ アベノミクスの金融緩和政策及びマイナス金利
➋ 銀行(特に地銀)の企業融資能力の低下
➌ かぼちゃの馬車(スマートライフ)が先導したシェアハウスの夢物語
➍ 不動産投資家のリスクヘッジの問題

 

まず、➊ ➋ アベノミクスの金融緩和政策及びマイナス金利及び銀行の企業融資能力の低下
⇒金融緩和政策の影響とマイナス金利で、金融機関が利ざやを稼ぐ必要が出てきました。
 利ざやというのは、シンプルに預金金利と貸出金利の差のことを言います。
 そもそも金融機関はその利ざやを稼ぐことが最も重要な収益の一部となります。
 ただ、バブルの影響で金融庁の監査が厳しくなり、収益の悪い法人の融資が著しく減り、
 成長性のある法人を見る目の能力が落ちたといわれています。
 そこで、もっともとりっぱくれの少ない不動産担保融資が安全というので、そちらに
 資金が流れたという経緯があります。

 

➌ シェアハウスの夢物語について
⇒シェアハウスというのは、不動産管理会社でさえ、管理が難しいといわれる案件です。
 それが管理のノウハウがあまりない会社が募集管理するので、うまくいくはずがなく
 結果、サブリース会社が倒産するという残念な結果になりました。

 

➍ 不動産投資家のリスクヘッジの問題
⇒この問題の最も本質としては、不動産投資家は通常であれば、一般の自宅購入者と違い、
 事業者扱いとされ、素人という分類ではありません。
 普通に考えれば、銀行融資の金利が4%で物件の表面利回りが5%の場合であれば、
 その差が1%で、かつそこから税金などを支払うことから、リスクが高い商品という
 ことに、やはり気づくのは必要ではないかと思います。
 もちろん、不動産会社がその説明はするのは当然ですが、本人も冷静な目が必要で
 あるかもしれません。

 

いま現在、スルガ銀行方式で融資をした金融機関は軒並み監査でやられています。
その結果、不動産融資が厳しくなり、アパート市場は軒並み冷え込んでおります。

 

これから不動産市況が冷え込む予兆かもしれませんね。。